自動撮影方法の考察


 さて実際の皆既日食時の撮影を考えると、露出時間は1/500秒~数秒の範囲で
段階的に行う必要があります。しかも露出時間が長い時はミラーアップの振動に
ついても考慮する必要があり、
 これをすべて手作業で行うのは、出来ないことはないでしょうが、それに集中
するあまり眼視で皆既日食をみることが出来なくなるかもしれません。
 そこで、このいくつかの課題をすべて自動でパソコンにやらせて、自分は
悠々自適に眼視できるようになる自動撮影の手段を考えます。

主な課題
幅広い露出時間での段階的撮影(1/500~数秒)
ミラーアップ時の振動の対処

 私はCanonのEOS KISS X2を使用しているのですが、まずはじめに検討したのが
カメラ付属のEOS Utilityです。
 しかしながらこれは、「ミラーアップモード時の撮影ができない。」
インターバル撮影はできるものの「露出を段階的に変更できない」等の問題から
見送りました。
 次に検討したのは、gphoto2というuinx系OSで動くデジカメ用
ソフトウェアでした。カメラ本体の制御もできるとのことから、これを
Ubuntu9.04上で試してみました。しかし、動作が遅い(設定値を変更する
たびに10秒強程度かかる)ことと、ミラーアップモードでは動作しない
模様なのでやはり見送りとなりました。
 続いて検討したのは、いっそのことバルブモードでシャッター開き時間を直接
制御できないかというアプローチでした。
 そこでまず手元にあった、USB-IOという汎用入出力デバイスを用い、
photoMOSリレーを介して制御してみることとしました。仮で回路を組み試して
みましたが、USB経由での書き込み速度が遅いのか、高速での動作がうまく
いきませんでした。
USB-IOボード

 それではとNECの8bitマイコンμPD78F0730が載ったトランジスタ技術
2008年8月号の付録ボードを用い、ファームと回路を組んでマイコンでバルブの
ON/OFFを直接制御してみることにしました。
78F0730ボード

 結果は残念ながらNGでした。カメラ側がバルブモードだとそれほど高速に
反応してくれないみたいです。

 と、ここでよい情報を入手。KISS X2のライブビュー撮影では事前にミラー
アップされて撮影可能とのこと。(どうも雑誌の記事で周知の事実らしいですが...)
それならばと、EOS Utility+Windowsの自動操作プログラム(UWSC)の組み合わせで
リモートライブビューで撮影してみると、なかなかいい感じです。
 インターバル時間を露出時間に合わせて調整するスクリプトが必要ですけれども
なんとか目途が立った感じがします。
EOS UtilityとUWSC

というわけで本番はこの組み合わせで挑みたいと思います。

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